ローマンカモミール

作用が穏やかで鎮静作用に優れた精油

ギリシャ語で、「大地のリンゴ」という意味の名をもつカモミールは、近くに生えている植物の病気を治して元気にする働きもあることから、「植物のお医者さん」とも呼ばれています。なかでも青リンゴを思わせるローマンカモミールの甘酸っぱい香りは、ジャーマンカモミールよりもマイルドで、鎮静作用にすぐれています。
精油のなかでもとくに作用が穏やかで、子どもからお年寄りまで幅広く利用することができることから、ラベンダーとともにもっとも人気のある精油の一つとなっています。まるで、子どもを守る母のようにやさしく安らかな眠りへ導くため、ヨーロッパでは寝つきが悪かったり、かんしゃくを起こしている子どもに用いられ、「女性と子どものための精油」と呼ばれて親しまれています。古代エジプトでは、このハーブを熱病を治す聖なる植物として太陽神へ捧げていたほか、僧侶たちは抽出液を神経系の病を治す薬として用いていたといわれています。※身体にはジャーマン、心にはローマンのほうがより効果的に作用するといわれます。

ローマンカモミール写真1ローマンカモミール写真2ローマンカモミール精油写真

ローマンカモミールのデータ

学 名
Anthemis nobilis
英 名
Roman chamomile
科 名
キク科
抽出部分
抽出方法
水蒸気蒸留法
主産地
ドイツ、フランス、ハンガリー、モロッコ
主成分
セスキテルペン類、カマズレン
香りのタイプ
フローラル系
香りの特徴
青リンゴのような甘酸っぱさの混じったみずみずしい草の香り
ノート
ミドル
使用上の注意
妊娠初期は使用を避けること。向精神薬や鎮静剤、睡眠剤との併用は、中枢神経への鎮静作用を強くしすぎてしまうこともあるので、避けたほうがよい。

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ローマンカモミールの効果・効能

主な作用

引赤作用、駆風作用、抗炎症作用、殺菌作用、収れん作用、止痺作用、消炎作用、鎮けい作用、鎮静作用、鎮痛作用、通経作用、発汗作用、ホルモン様作用

心への作用

鎮静作用により、中枢神経を鎮静し、外からの刺激を一時的に遮断して感覚を麻痺させ、心のバランスが取れるように導きます。大きなショックを受けたときなど、精神的にダメージを受けている場合に有効です。ストレスによる摂食障害や、頭痛、腹痛のほか、子供が寝つかないときにも優れた効果を発揮します。

リラックス・不眠

身体の作用

頭痛、腹痛、歯痛など、さまざまな痛みに効果があります。鎮けい、消化促進などの作用により、下痢や嘔吐などの胃腸の不調も改善。弱い通経作用もあり、月経不順や更年期障害の改善にも有効です。抗アレルギー作用があるので、アレルギー性鼻炎や花粉症の緩和にも効果的です。

頭痛、偏頭痛、月経痛・気管支炎・口内炎、扁桃炎・腸の張りの緩和・胃痛、仙痛、潰瘍・神経性の下痢・局所の血流不良・リウマチ・月経不順、PMS・更年期障害

肌への働き

抗アレルギー作用とかゆみを抑える作用により、じんましんやアトピー性皮膚炎など、肌のトラブルを緩和させます。皮膚の代謝を高める働きもあるので、しみやそばかすの気になる人にもおすすめです。

かゆみ・ニキビ・やけど、虫刺され・発汗をよくする・肌荒れ

おすすめの利用法

芳香浴、入浴、トリートメント、ヘアケア、スキンケア

相性のよい精油

ラベンダーとのブレンドは、リラックス効果が高まります。クラリセージや、ローズオットー、ジャスミンなどとのブレンドは、婦人科系の悩みを解消するのに適しています。柑橘系の香りともよく合います。

特に合う精油

ベルガモット、パルマローザ、マンダリン

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