ベンゾイン

バニラのように甘い、とろけるような香り精油

「安息香」の別名が示すとおり、ベンゾインは呼吸器系の不調をやわらげ、呼吸を楽にしてくれる精油として知られています。バニラのような甘さをたたえた濃厚な香りが、ストレスで憂うつな気分になりがちな人の気持ちをやわらげ、軽い高揚感をもたらしてくれる精油です。香水の香りを長続きさせる保留剤としても、広く用いられています。東洋では古くからお香や薬として使用されてきました。乾燥した肌に潤いを与えてなめらかにするため、バレエダンサーがつま先のひび割れのケアに使用していたそうです。孤独感や喪失感などの精神疲労を癒し、慰めてくれる、バニラのように甘く濃厚でとろけるような香りが特徴の精油です。

ベンゾイン写真1ベンゾイン写真2ベンゾイン精油写真

ベンゾインのデータ

学 名
Styrax benzoine
英 名
Benzoin
科 名
エゴノキ科
抽出部分
樹脂
抽出方法
溶剤抽出法
主産地
インドネシア、マレーシア
主成分
桂皮酸、安息香酸、バニリン
香りのタイプ
樹脂系
香りの特徴
ややレモンに似たスパイシーですっきりとした香り
ノート
ベース
使用上の注意
香りが強いので、少量ずつ使用すること。妊娠初期は使用を避ける。粘性が高く、低温では固まってしまうので保管に注意。

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ベンゾインの効果・効能

主な作用

強心作用、去たん作用、駆風作用、収れん作用、消毒作用、頭脳明晰作用、鎮静作用、デオドラント作用、癒傷作用、利尿作用

心への作用

鎮静作用や精神を安定させる作用があり、緊張やイライラ、孤独感や喪失感などがやわらぎます。特に大きな悲しみを抱えているときに、優れた効果を発揮します。温もりのある甘い香りが、ささくれだった心をじんわりと温めて、ゆったり落ち着いた気分へと導きます。

緊張の緩和・うつ・ストレス

身体の作用

抗炎症作用や去痍作用があり、風邪や気管支炎など呼吸器の症状を緩和します。蒸気を吸入すれば、のどのトリートメントにもなります。過剰な粘液やたんを排出しやすくなり、のどの痛みや声がれに優れた効果を発揮します。

呼吸器系の感染症全般・気管支炎、せき・喉頭炎、咽頭炎、口内炎、扁桃炎・尿の出をよくする・膀胱炎

肌への働き

癒傷作用があり、あかざれやしもやけ、ひび割れなど、乾燥により傷ついた肌の症状を緩和します。キャリアオイルを使ったトリートメントはもちろん、ハンドクリーム(無香料、またはみつろうを使って作ったもの)に1~2滴加えるのも効果的です。
皮膚・かゆみ・体臭・しもやけ、あかぎれ・ニキビ・乾燥肌

おすすめの利用法

芳香浴、入浴、トリートメント、ヘアケア、スキンケア

相性のよい精油

粘度が高く、ほかの香りを持続させる保留剤の働きをします。濃厚さが気になる場合は、オレンジ・スイートやベルガモットなどの柑橘系、またはジュニパーベリーなどのさわやかな樹木系と合わせるとよいでしょう。イランイランやサンダルウッドなどのオリエンタル系とも合います。

特に合う精油

オレンジ・スイート、ベルガモット、イランイラン

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